保湿効果がいいうえに蒸れない 履くだけでかかとがスベスベに
2015年の7月に亜麻を栽培されている門脇織物さんを訪ねた。 その時に探していたのは亜麻(フラックス)の種だったが、 その種はリネンを繊維にするために作っていて、 リネンの靴下は蒸れないし、気持ちいいよ~という事から1つ購入して帰っていた。
亜麻の種の仕入れ先が出来たこともあり、 国産の亜麻の情熱が薄れていたが、 その時にいただいた靴下が本当に気持ちがよく、 洗濯が終え、タンスにしまってくれと待ち構えている服の山の中から見つけると真っ先に履いてしまうほどのお気に入りの靴下になっていた。 そう言えば購入した当時は「まあ、ダマされたと思って買ってみるか」という気持ちだったが、ここまで好きな靴下になるとは想像もしていなかった。
販売することなどサラサラ考えもしていなかったが、こんな商品こそ取り扱うべきだとふと思い、早速連絡。 取り扱うとなるのなら、工場も見学したい。 門脇織物さんは布を製造している大元でリネンの布を作るときに合わせて呼んでいただいた。 リネンは紫色の小さい花をつける細長い植物で刈り取った後、数か月は束ねて放置する。 これを発酵という工程だが発酵を終えたリネンを手でしごくと、 表面がポロポロと剥がれ落ち、中から繊維が出てくる。 繊維1本1本は髪の毛のような細さだが、太い箇所や細い箇所があり、太さがバラついている。 このバラつきがリネンの心地いい肌触りになるのだが、 太さが均一でない繊維をコットンを編む機械のような高速織りだと切れてしまう。 低速で編める機械を持っていなければリネンの布は作れないのだ。 この門脇織物さんがオリジナルブランドとして製造している靴下やストール、 お風呂で体を洗うウオッシュタオルなどはASABANという名で売り出している。 200年以上の歴史を持つ播州織の中心にあり、 麻であるリネンの製品を出してゆくことからASABANと名付けられた。 ウオッシュタオルはリネンと綿を組み合わされており、 使わせていただいたところ、石鹸を付けずに体を洗うことが出来て、 これがとても気持ちが良い。 リネンの部分で体を擦ってくれるのだ。 もちろん石鹸を付けて洗っても気持ちが良い。 これもお気に入りの1つとなった。
リネンというのは麻と表示されていることが多く、 この麻と表示される他の種類には大麻、黄麻(ジュート)、苧麻(ラミー)などがある。 製品に「麻100%」と表示が許されているのは、リネンとラミーだけでラミーは繊維が太く布の質も粗くて、 麻袋などによく使われている。 先ほど書いた通り、リネンの繊維は幹の中にあり、しなやかで柔らかいが、他の麻の繊維は幹の表面にある。 表面にあれば繊維は硬くなり当然、加工する手間は省ける。
安価で「しわになる」「チクチクする」という麻製品は、 値段を安くするためにラミーを混ぜた物が多く、亜麻からとるリネンは、工程が複雑なのと、育つ地域が限られているため、 ラミーよりもかなり高価でシルクと同等の値段帯にどうしてもなってしまうようだ。 リネン100%ならやわらかなシワにはなるものの、「紙を折った」ようなシワには全くならない。
リネンは綿の4倍・シルクの10倍の吸水性があり、速乾性も優れていて、いつもサラリとしている。 それは雑菌が繁殖しにくいちょうど良い湿度となり、雑菌の臭いニオイも抑えてくれる。 足はいつも靴でムレやすく雑菌の巣となるが、 リネンの靴下を履くと悪臭から解放され、サラサラしていて少しのゴワつき感があり、とっても気持ちいい。 また、足の皮膚にトラブルのある方はこの靴下を是非試していただきたい。 このリネンの靴下を履きだしてから悩み解消された方はすごく多いそうなのだ。
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